ばばさまの挑戦

四年前に、我が家へ退院して帰ってきた時から
ばばさまは、バルーンと言う蓄尿バッグを
お付きで連れて来た。

初めは、私が量やら、何やら管理していたが
だんだん慣れて、ばばさまにやり方を教えて
自分で管理出来る様にした。

だが、やはり、異物は、イブツ。

身体には、そぐわない。

色々と不具合もできわく。

私は、看護師さんがずっといないとバルーンは、外せないと思い込んでいた。

しかし、今は、朝夕のチェックだけで段階を
踏めば取れるかもしれないそう。
掛かり付けの先生も薦めて、紹介状を下さった。

善は急げで、今朝、だんなさんに送って貰い
病院へ。

だが、ばばさまの膀胱君は、
相当、怠けていたため動く気配なし。
まずは、そちらに働きかける薬が処方された。
ヤレヤレ。

帰り、ランチに行こうと誘うと、
「しんどい。でもお刺身やったら食べる」
と言うばばさまを手押し車で歩かせて
近くの料理屋へ。
割烹をしているがランチは、お得なお店。

私は、エビフライ定食、
ばばさまは、うめ定食
お刺身、天ぷら、小鉢に、
ご飯と味噌汁、香の物

食べ始めてから、しまった、ご飯を軽めに、と
お願いするのを忘れた、と
思って、ばばさまを見ると、なんのなんの
刺身も天ぷらもご飯もキッチリ、
召し上がりました。
普段、お寿司だと、イカは残すのに、
今日は、食べようとするから、
「イカ、イカやで」言っても
「ふん、細いから大丈夫」とペロリ

帰りのタクシーの中で、
「要らん、言うてても、食べられたﾔﾝ」
と言うと、ばばさまは、
「アハハ、おかずによるわ」と
聞いていたタクシーの運転手さんも吹き出していた。

ばばさま、これだけ食べる元気があれば
きっと、上手く行くだろう。

春の一日、久しぶりにばばさまと二人の食事も
楽しんできました。